ヴァイオリンの掃除の仕方

今回は普段のヴァイオリンのお手入れについて書いていきます(^^)/

ヴァイオリンの表面にはニスが塗ってあります。ニスには透明ニスと色付きのニスがあります。これを木に塗り重ねていくことで、ヴァイオリンの色(茶色とオレンジの中間色とでもいいましょうか)になります。このニスを塗り重ねていくことで、木がコーティングされたような状態になり、固く丈夫になります。

あまり知られていないと思いますが、ヴァイオリンの木の板は非常に薄いです。大体2~5mmくらいで、ベニヤ板より薄いくらいです。真ん中の部分が厚く(5mm)、端に向かうにつれ薄く(2mm)なります。私の楽器には、1.6mmの部分があり、割れてしまうのではないかと恐ろしいです。(^^;)

ヴァイオリン弦の張力は
E線が7-9kg
A線が4.6-6.3kg
D線が3.8-5.8kg
G線が3.9-5.2kg
程度で、細く、音が高い弦ほど張力が高いです。
各弦の平均値を足すと(8+5.45+4.8+4.65)kg=22.9kg

4弦で合計約23kgの圧力が表の板にかかっています。ベニア板の耐久だけではすぐに壊れてしまうのは想像に難くないと思います。ニス様のおかげで、ヴァイオリンは生き長らえているのです。

普段意識する事は少ないですが、ニスは椅子・机・本棚などあらゆる家具に使われています。学校の机なんかもツルツルしていますよね。あれがニスです。

ヴァイオリンではこのニスに非常に価値があります。上質な柔らかいニスだと音が柔らかく、固いニスだと固い音が出ます。ニスは剥がれたら塗ればいいという考えは危険で、下手に手を付けるべきではありません。オリジナルニスの保存が第一です。ニスの重ね塗りは音が固くなる場合がありますので、注意して下さい。

それで拭き方なのですが、アルコールを使っては絶対にいけません!!私は指板を拭くのに消毒用アルコールを使っていたのですが、大変怒られました。少しでもアルコールが垂れれば、ニスと化学反応を起こし、ニスが溶けだしてしまいます。溶けだしたニスは二度と戻ってこないのです。

水(水道水)もニスにとって決して良くないです。中にホコリが溜まったからって丸洗いしようなんて考えちゃいけませんよ。ホコリは溜めるもんです!

なので、普段はティッシュや清潔な布などで、軽くホコリ・松脂を落としてやる程度で十分です。どうしても落としたいなら、ベンジンが一番ニスと反応しにくいと言われています。メニューインは「ベンジンで弦を拭くといい」と著書に書いています。市販の製品でしたら、ヒル(イギリスの会社)のニス磨きや、viol等でしたらオススメです。使う時は、少量(3滴くらい)を布に垂らし、それで楽器を拭いて下さい。先にホコリを落としておかないと、ホコリで楽器の表面を傷つけることがありますのでご注意下さい。
市販品にはアルコールや研磨材が含まれている事が多いので、綺麗になってもニスまで落ちてしまう場合がありますので注意が必要です。

弓にも同じくニスが塗られています。決してアルコールなど使わないようにして下さいね。

ヴァイオリンの掃除の基本は「優しくカラ拭き」です(^^)汚れを取ろうとし過ぎててヴァイオリンを傷つけないようにしましょう。
落とせない汚れは楽器屋へ!

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